帰国生入試とは? 中学・高校受験の基礎知識について徹底解説

目次

中学生の帰国入試

帰国生中学入試とは?

一般入試の影響を受け、帰国生の受験者も年々増加傾向にあります。それに伴い、帰国生入試を実施したり、帰国生に対して何らかの優遇措置を設けたりする中学校も増えてきています。また、英語教育に力をいれるため、帰国生を積極的に受け入れる学校も出てきました。

帰国枠受験の最大のメリットは、早めに入試ができることです。多くの学校が同日に入試を行う場合、積極的にチャレンジ校に挑戦するのは難しいかもしれません。しかし、帰国生は10月より入試が開始され、年内や1月上旬に合格を取ることができます。すると、その後の一般入試でも、どんどんチャレンジをすることができ、精神的にもゆとりをもって受験に臨むことができます。帰国生にとって、この早いスケジュールは大きなアドバンテージです。このメリットを得るために、早めに学習を開始する必要があるのです。

帰国生中学入試のパターン

1.理社も加えて4科目勝負

一般入試も視野に入れると、理社も学習しておいたほうが、選択肢が広がります
帰国枠(国算)で早めに抑え校を確保しておくと、一般入試でチャレンジ校受験が可能になります。

2.国語・算数に絞っての受験

年内から1月にかけての帰国枠に加え、一般入試での1科目・2科目入試も念頭においてパターンを組む必要があります。2科に絞る以上、4科目よりも国・算の学習時間が増えることになります。4科目のときよりも、偏差値を上げるつもりで学習する必要があります。

3.英語を用いた受験

相当な英語力が求められます。北米に長くいた生徒でなければ、中学受験の英語には対応がしきれないのが現状です。英検準1級以上が求められたり、想像力あふれるエッセイが必要になったりと、内容も様々です。駿台国際教育センターによるオンラインでの学習が理想的です。

4.公立中高一貫校を受験

一時は超高倍率だった公立中高一貫ですが、最近は私立より少し高め程度に落ち着いています。それでも、簡単に合格が取れない状況なのは変わっていません。適性検査がほとんどなので、公立のみをチャレンジ受験するなら小6になってからの学習でもよいですが、理社を学習しておくと知識面で有利に働きます。4科をしっかり勉強して私立と併願するか、理社のみ自力で学習し、公立に絞って受験するかを、十分に検討してください。

海外入試・オンライン入試を実施したことがある中学校

※状況によって変更になることがあります。必ず公式HPでご確認下さい。

  • 文化学園杉並中
  • 工学院大附属中
  • 大妻中野中
  • 土浦日大中
  • 青稜中
  • 西大和学園中
  • 富士見丘中
  • 宝仙学園理数インター
  • 啓明学院中
  • 茗渓学園中
  • 立命館宇治中
  • 関西学院中
  • 千里国際中
  • 同志社国際中

よくあるご質問

受験勉強を始めるのは、いつがいいですか?

駿台では、小4から始めるのを推奨しています。小4のあいだは、本格的な学習の前段階として、基礎的な内容を学びます。計算練習や、読解の基本方法など、1年間のカリキュラムの中に重要なことが詰まっています。小5になって本格的に受験勉強が始まったときに、小4で学んだことが大きな力となります。実際に入試で出題されるのは、小5~小6の1学期までの内容です。遅くとも小5の夏休みには学習を始めないと、大きく出遅れることになってしまうので、ご注意下さい。

低学年のうちは何をしたらいいですか?

小4までは、日本語力を育てるようにしましょう。どの科目を学ぶにも、まずはことばを理解することからのスタートです。海外にいるからこそ、早めに日本語を鍛える準備をして下さい。

帰国生受験だと、理社の学習が不要だとききました。

たしかに、帰国生は国算のみで受けられる学校もあります。しかし、最初から国算だけにしぼった場合、学校選択の幅も狭くなってしまいます。また、合格して中学校に進学すると必ず理社の授業があり、基礎知識が全くないと大変です。最初は、4科での学習をお勧めします。志望校が徐々にはっきりしてきて、2科にしたほうが良いと判断できるまでは、理社も学習しておくようにしましょう。

受験する予定ではないですが、受験勉強をするメリットはありますか?

中学受験の内容は相当に頭を使うので、思考力を養うのに最適です。受験する予定のない方や、まだ受験するかどうかはっきりわからない方も、学習するメリットは十分にあります。仮に中学受験をしなくても、ここで学んだ内容は、必ず高校受験で役立ちます。ただし、受験勉強は当然とても大変です。明確な志望校と言う目標がないと、モチベーションを保つのも難しいところがあります。いつまで中学受験の内容を学ぶか、いつから高校受験に切り替えるかは、駿台講師までご質問ください。

高校生の帰国入試

帰国生高校入試とは?

大学附属校を中心に、多くの学校が帰国生枠での入試を実施しています。一般入試との違いとして、早めに受験ができること、3科の得点に加点されること、英語の資格を有効に使えること等があげられます。

学校によって様々ですが、海外在住期間が2年以上あれば、ほとんどの学校で帰国生として認められます。最近では1年以上でも帰国枠受験が可能な学校が増えてきていますので、興味のある学校があれば、まずHP等で調べてみるといいでしょう。また、出願前に帰国生認定を受けなければならない学校もありますのでご注意ください。

私立校だけでなく、都道府県によっては公立高校にも帰国枠が設けられているケースもあります。こちらは地域ごとに様々です。各都道府県教育委員会のHPでご確認下さい。

帰国生高校入試だからといって、難関校が狭き門なのに変わりはありません。一般入試でも合格できる力は絶対に必要です。しかし、帰国生枠での入試は総じて有利に働きますので、可能であれば積極的に受験をすることをお勧めします。

帰国生高校入試のパターン

1.別日日程で入試を行う

年内や、1月中に入試を行うパターンです。東京や大阪であれば2月10日から一般受験が行われます。駿台海外校でも、ここで第一志望校に合格し、受験終了ということが多くあります。第一志望でなかったとしても、早めに合格をとっておけば、2月にチャレンジ校に挑戦することができます。また、先取りで入試に慣れておくことで、実力を十分発揮することもできます。中には海外で入試を実施したり、オンライン入試を行ったりする学校もあります。このような場合には、積極的に受験をしていくのがベストです。

2.一般入試と同日だが、帰国生枠が設定されている

帰国生枠内での勝負になるので、一般入試よりもライバルが減るのが利点です。それでも、極端に難易度が下がることはありません。帰国生の武器である英語を軸に、3科目で十分に得点できるようにしていきましょう。

3.少ない科目数で受験できる

東京学芸大附属や関西の私立校などは、本来は5科受験のところが、3科受験で合格を取ることが可能です。理社の負担が減る分、3科目に注力できるのは、大きなメリットです。また、英語の上位資格を持っていると英語免除になる学校、英語のみで受験ができる学校などもあります

推薦入試について

学校によって様々ですが、推薦入試を受験する場合は、最低でも内申点が37以上は必要です。ただし、これはあくまで最低ラインです。合格をとるためには内申点44~45に加え、委員会活動や部活動などを積極的に行った経験が求められます。さらに、面接で自分の意志をはっきりと伝えることも大切です。ここまでしてようやくスタートラインに立つことができますが、それでも倍率は概ね高めです。「合格がとれたらいい」くらいの軽い気持ちでいて、3科の学習に集中するほうが望ましいでしょう。

海外入試・オンライン入試を実施したことがある高校

※状況によって変更になることがあります。必ず公式HPでご確認下さい。

  • 桐蔭学園高校
  • 土浦日大高校
  • 富士見丘高校
  • 宝仙学園高校理数インター
  • 茗渓学園高校
  • 関西学院千里国際高校
  • 同志社国際高校
  • 立命館宇治高校
  • 青稜高校
  • 栄東高校
  • 早稲田渋谷シンガポール校

よくあるご質問

帰国生入試の合格判定は、どうすればわかりますか?

一般入試と比べ、帰国生入試は母数も少なく、偏差値だけで合否を予想することはできません。また、模試の際に登録する志望校リストでも、「帰国生入試」という項目がなく、一般入試での判定になってしまう場合もあります。駿台の場合は、各海外校からの情報の集約によって、進路指導を行っています。一般入試は偏差値で、帰国生入試は海外生の中の順位によって、受験校を調整し、プランをご提案できるようにしています。これはアジアやヨーロッパ、アメリカなど、様々な地域に校舎がある駿台だからこそ、できるものです。

理社はやっておいたほうがいいですか?

私立高校であれば、メインは3科目になります。国公立を受験する場合は、5科をやっておいたほうがいいでしょう。ただし、理社は学校によってレベルが様々です。学校の定期テストがしっかりできていれば問題ないものもあれば、大学入試レベルだったり、教養に委ねられる問題だったりする学校もあります。志望校の問題に合わせて、理社の学習内容を調整する必要があります。特に千葉や関西の難関私立を受験するときには、十分に対策をしておくことが求められます。

長年海外暮らしのため、国語が苦手なのですが……。

あくまで全体的な傾向ですが、国語が苦手な帰国生は多い印象があります。これは、日本語に触れる機会が少ないことが多分に影響しています。受験まで時間がある場合は、とにかく日本語に触れる量を増やしましょう。ただ読書をするだけでなく、日本ならではの美的感覚や社会の特徴などを学ぶことで、入試問題もイメージがつきやすくなってきます。国語の解法もありますが、帰国生はまず「言葉を経験する」ことからスタートです。特に私立高校の入試問題は、大人でも難しいような文章が出されることもありますので、早めに準備をするようにしましょう。

過去問の取り扱い方法は?

志望校の過去問は、最も重要な練習材料です。かといって、早い段階から問題を解いてしまうと、直前にやるものがなくなってしまいます。過去問は入試の直前期まで保管しておき、駿台講師の指示に従って解き始めるようにして下さい。また、志望校の過去問”だけ”やればいいというものではありません。同様のレベルの学校や、傾向が似ている学校もあります。直前期に入るまでは、別の学校の過去問も十分に役立ちます。同様に、過去問だけに囚われるのではなく、分野別・パターン別の学習も怠らないようにして下さい。

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