【算数・数学の勉強法】計算力や思考力の向上方法、勉強の基礎について解説

算数や数学に苦手意識を持っている帰国生の方は多くいるのではないでしょうか。

算数や数学ができるようになるための勉強方法を知りたい、と思っている方は多くいるはずです。
さらに、海外の学校と日本では、出題方法若干異なる場合もあります。

しかし、

「何から始めていいのかわからない」
「基礎的なところからわからない」
「試験でいつも数学が足を引っ張る」
「計算ミスが多い…」

このような方は多いと思います。

今回は算数や数学の基礎的な勉強方法から、試験や入試に役立つ勉強方法まで紹介します。

いつもの宿題や勉強、テスト直しに工夫を加えることで、学力は確実に向上します。

数学が苦手な方、受験を控えている方、定期テストで点数を上げたい方……
小学生から高校生まで、様々な方の役に立つ勉強法をお教えします!

算数・数学の勉強方法を知りたい方、ぜひ一度ご覧ください。

目次

間違えた問題を活用

まずは解き直しをしっかり

勉強、というと特別な方法やワークを使うというイメージがあるかもしれません。
しかし、まずは丁寧な解き直しを心がけてみましょう。

当たり前のことに思えるかもしれませんが、毎回しっかりと解き直しを行うことで、着実に力がつきます。

間違えた問題は正しい答えや計算式を書く前に、実際にもう一度自分で解きましょう

解説を読んで理解したと思っても、実際に解いてみると解けない、というパターンは多くあります。
自分が本当に理解しているのか、もう一度解くことで確認することができます。

解き直してみて「わからない」となった時は、解説を読んだり、先生に必ず聞いてください。
正答を書いて終わり、ということには絶対しないでください。

わからないことをためない、これがいちばん大事です。

時間を置いてもう一度解く

間違った問題の番号には印をつけましょう。
そして、時間を置いてからもう一度解いてみて、本当にできるか確認してください。
テスト勉強の場合、テスト前にもう一度解くことをお勧めします。

解説を見たり先生に聞いたりした時は、理解したつもりになってしまうものです。
時間を置いてから解くことで、本当に自分の身についているのか確認できます。

解き直しノートをつくる

テストや模試、入試過去問の解き直しには解き直しノートを準備しましょう。

解き直しノートとは「自分用の問題集」のようなものです。
模試前などにも活用できます。

  1. ノートを用意
    切り貼りするのでA4の大きさがおすすめです。自分に合ったものを使いましょう。
  2. 間違えた問題と解説をコピー
    書き写すと時間がかかってしまうので、コピーすることをおすすめします。
  3. 問題を左ページ、解説を右ページに貼る
    この配置で貼ると、答えが目に入ることなく解き直すことができます。
  4. 解き直して、間違えたら印をつける
    自分の苦手な分野が明確になります。

この作り方は一例です。使っていく中で、自分の使いやすいようにどんどん変更していきましょう。

解き直しノートをつくることで、試験や模試などの前に自分の苦手なところだけを復習することができます。
何度も間違えた、たくさん印をつけたところは特に自分の苦手なところですので、気をつけましょう。

自分の苦手を克服することは、高得点が取れるようになるための第一歩です。
丁寧な解き直しをまずは始めてみましょう。

計算力を身につける

基本手順を着実に

計算力は国語力と同じくらいに必要で、生きていく上でも役に立つ基礎的な力です。
決まった手順で物事をこなし、すばやく処理していく力は大人になるほど日常や仕事で求められます。

計算力をつけるには、まずは基本手順を確実にこなせるようにしましょう。
例えば以下の手順です。

  • 小数点の位置は正しいか
  • 分数の約分、通分はできているか
  • 単位の関係は覚えているか
  • プラスとマイナスの間違いはないか

こんな当たり前なこと、と思われるかもしれません。
しかし、基礎的な力を着実に身につけることで、ミスは必ず減ります。

計算はある程度決まったルールの中で進んでいきます。
基礎的な力が定着していない場合は、自覚のないままミスを連発してしまいます。

一度自分の計算力を振り返ってみてください。
基礎を疎かにせず、ルールをしっかり定着させましょう。

倍数を覚える

12から19の倍数を2ケタだけでも覚えておくと、計算が楽になります。

13の倍数なら、「13、26、39、52、65、78、91」と覚えます。
そうすると、65は13の倍数だなとすぐにわかります。

数学が得意な人は中学生くらいになると自然に身についている感覚だと思います。
この差が、計算のスピードや正確さ、数の感覚に非常に大きく影響を及ぼすのです。

計算力が身につけばテストの時間にも余裕が出てきます。
まずはテスト内で最初に出る計算問題に全問正解することを、目標にしてみましょう!

解き方がわからない場合は答えを見る

宿題、課題をやっていて問題が解けないことがあると思います。
ずっと問題が解けずに悩んでいることは効率が悪いです。

算数・数学には解くための「型」があります。
基本的な解法である型を知らなければ、問題を解くことはできません。

「知っているかもしれない解き方を、何とかしていろいろ試す作業」を5分ほどして、わからなかった場合は、答えを見ましょう。
5分ほど悩んでもわからない、というのは

  1. まったく知らない解法
  2. 習ったけれど身についていない解法

のどちらかのパターンです。

宿題や課題の場合、ほとんどが「2.」です。
すでに習った内容がわからず、答えを見て「なるほど」と思っただけでは、解法が身についたとは言えません。
少し経ったらまた「解けない」となっているでしょう。

答えを見て「なるほど」と思ったあと、答えを見ずにもう一度自分で解けるか確かめてください
先述した「解き直し」と同じです。

それができたら、類題も解いてみましょう
そこまでできた状態が「解法が分かった」状態です。

そして、1種間くらいして再度解きます
そこでしっかりと解けた状態が「解法が身についた」状態です。

  1. 5分ほど解けない
  2. 答えを見る
  3. 答えを見ずにもう一度解く
  4. 類題を解く
  5. 1週間後に再度解く

正しい「答えを見る勉強方法」をしてください。

問題演習で思考力をつける

「思考力」が大事だと、よく耳にするのではないでしょうか。
思考力とは、知識や読み取った事柄を活用し、課題を解決する力のことです。
入試や共通テストでは重要視されます。

そんな思考力を鍛えるには、優れた応用問題を解くことが必要です。
算数・数学の勉強において問題演習は非常に大切です。

入試問題では、小問で誘導しながら発展的な思考ができるかどうかを見る問題が多く出題されます。
解答に行き詰まったら、前の問題に解法の方向性が隠されていないか、振り返って考えることが鉄則です。

例題を見てみましょう。

50人の生徒と50個のロッカーがあり、それぞれに番号を1から50までつけます。
まず、1番の生徒はロッカーをすべて開けます。次に2番の生徒は2で割り切れる番号のロッカーをすべてしめます。
続いて、3番の生徒は3で割り切れる番号のロッカーを、開いていればしめ、しまっていれば開けます。同じようにして、4番、5番、6番、・・・、50番の生徒は、それぞれの番号で割り切れる番号のロッカーが開いていればしめ、しまっていれば開けることにします。
これについて次の各問いに答えなさい。

(1)6番の生徒まで終わったとき、1番から6番までのロッカーはそれぞれどのようになっていますか。「開いている」または「しまっている」で答えなさい。

(2)50人全員が終わったとき、4番、8番、10番、16番、25番、30番、のロッカーはそれぞれどのようになっていますか。「開いている」または「しまっている」で答えなさい。

(3)50人全員が終わったとき、何番のロッカーが開いていますか。当てはまるロッカーの番号を全部答えなさい。

どう解いていくのが良いでしょうか?

(1)は調べれば簡単にわかるでしょう。
しかし、それでは(2)で行き詰まってしまいます。
(3)につなげるためにも、他の方法を考えるべきです。

まずは(1)に解法の方向性が隠されていないか、振り返って考えます。
すると、奇数個の約数を持つ番号のロッカー(1、4番)は、最後に「開いた状態」になり、
偶数個の約数を持つ番号のロッカー(2、3、5、6番)は最後に「閉じた状態」になると気づけそうです。

(1)の法則に気づくと、(2)も簡単に解けます。

(3)ではさらに考えを進めていきます。
開いた状態になるロッカー、つまり、「奇数個の約数を持つ数」の特徴を(1)(2)の解法をもとに考えます。

(1)(2)でしっかり考えていると、「3×3」や「4×4」のように同じ数を2個かけてできる数が奇数個の約数を持つと気づくでしょう。

このように入試問題では、小問から発展的な思考ができるか見られています。

上記の例題だと、出題の意図は当然(3)の解法にあります。
その(3)の解法に導くための誘導が非常に巧みで、優れた応用問題だと言えます。

応用問題を解く際は、解法の方向性が隠されていないか振り返って考えることが鉄則です。
このような思考力を鍛えるためには、解法の進め方に注意して演習問題に取り組んでください

解答の正誤よりも、解法の進め方です。
思考力が鍛えられれば、算数・数学の学力は確実に伸びます。

【解答】

(1)1番、4番:開いている / 2番、3番、5番、6番:しまっている                                        

(2)4番、16番、25番:開いている / 8番、10番、30番:しまっている

(3)1番、4番、9番、16番、25番、36番、49番

図は定規、字や数字は丁寧に

ここまでいくつかの勉強方法を紹介してきました。
次におすすめするのは、図は定規を使って書き、字や数字は丁寧に書く、ということです。

基本的なことですが、やはり大事なことです。

図をフリーハンドで書くのは、定規できれいに書けるようになってからで十分です。
特に小学生の方やまだ図形をきれいに書くことに慣れていない方は、まずは定規できれいに書けるようにしてください。

そして、字や数字は大きく丁寧に書きましょう。
「0か6かaかわからない」ようでは、計算ミスになりますし、採点者に伝わらなければ点数になりません。

自分で読めればいい、と考えるのではなく、誰が読んでもわかるように書きましょう。
普段読めていても、本番で読み間違えてミスにつながる可能性は十分にあります。

本番だけ気をつけるのではなく、普段の勉強から丁寧に書くことでスピードアップにもつながります。

おすすめの数学系YouTube

YouTubeでも勉強になるコンテンツが多くあります。

ここでご紹介するのは鈴木貫太郎さんの数学系YouTubeです。

鈴木貫太郎 – YouTube

実際の入試問題から一般的な数学の話まで、幅広く扱われています。
代表作は『オイラーの等式』を文系にもわかるように解説した一連の動画です。
三角関数・指数関数・複素数の基本的な話をしてから、最後にテイラー展開でオイラーの等式が証明される道筋が、とてもわかりやすいです。

他の教育系YouTuberの方とのコラボなども多く、さらに勉強に対する関心が広がります。
勉強の息抜きに見るのもおすすめです。

基本的な勉強を丁寧に行おう

算数・数学の勉強方法について詳しく知ることはできましたでしょうか。

何か特別なことをするのではなく、普段の勉強をほんの少し工夫するだけで、確実に学力は向上します。

日頃から丁寧に解くこと、解き直すことを心がけ、算数・数学の学力アップにつなげましょう!

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