みなさんは小論文と作文の違いを知っていますか?作文とは違って、小論文ではあなたの意見を相手に分かりやすく伝えることが求められます。では、どのようにすればそれができるのでしょうか。実際の問題で考えてみましょう。
小論文を書く手順
例えば、「中高生のSNSの利用について、あなたの考えを述べなさい。」という問題が出たとします。あなたはどう答えるでしょうか。「SNSは危険だからよくない」とか、「SNSは友達付き合いに必要だ」とか、様々な考えが思いつくかもしれません。しかしそのアイデアだけでは、小論文は書けません。
初めに書きましたが、小論文のポイントは、「分かりやすく伝えること」です。あなたが感じたことを書くだけでは、ただの作文になってしまいます。そこで、まず初めに中高生のSNS利用に対して「賛成」か「反対」かという、あなたの立場を明らかにしましょう。そうすると、読む相手は「今から読む内容は賛成(反対)の意見なんだな」と最初に理解できるので、その後の内容が伝わりやすくなります。
さらに、「SNSは危険だ」あるいは「SNSは必要だ」という意見があるのであれば、必ずその根拠も書きましょう。例えば、あなたがもし、家族を説得してペットを買ってもらおうとしても、「買って!」と伝えるだけではうまくいきませんよね。「ペットがいたら癒されるから」「ペットの世話をすることで自分に責任感が生まれるから」というように、相手が納得するような理由(根拠)を一緒に伝える必要があります。
小論文でもそれは同じことで、必ず意見には適切な根拠を用意しなければなりません。さらには、根拠を説明するための具体例も必要です。具体例とは、あることを説明するときに語られる、もっと具体的な状況や場合のことです。先ほど、私が「根拠を書きましょう」という主張を伝えるためにした「家族を説得してペットを買ってもらうときの話」が実際の具体例です。
あなたらしさを伝える
さて、ここまでは一般的な小論文の書き方の一部ですが、初めに自分の立場を書いたり、主張に根拠を用意したりすることは、ある程度小論文の勉強をすれば誰でもできるようになります。しかし、相手に伝わりやすい小論文を追究していくと、こうした基礎的なことに加えて、ある重要な要素が見つかります。それは、「あなたらしさ」です。例えば、「SNSは友達付き合いに必要だ」という主張をするために、「SNSはいつでも気軽に友達と連絡できるから安心感が生まれる」という根拠を考えたとします。そこに、「私は以前、悩み事があったときに、すぐにたくさんの友達に共有できて、気が楽になったことがある」という具体例を付け加えてみましょう。この「私」の具体例こそが「あなたらしさ」に繋がります。あなたが実際に体験したことは、主張を根拠づける何よりの証拠になりますし、それによってあなたの意見も切実さを増してきます。そして入試の際には、そのような要素が他の受験生の解答との差別化に繋がります。この具体例は、一般的なデータや事実を書くことが普通ですし、その方法で解くような問題もありますが、この「あなたらしさ」を意識した「私」の小論文を書くこと、あるいはそれが難しいケースでも、「私」を軸にしてテーマに向き合うことが、小論文に説得力を与える一番のポイントなのです。
今回は、小論文を書くときに気を付けることについて、少しだけ触れました。この他にも、様々な知識を身につけて何度も練習を重ねることで、説得力のある小論文を書くことができるようになります。ぜひmanaboで一緒に小論文を勉強して、「あなたらしさ」のある「私」の小論文を書いてみませんか?