国語で高得点を取るには? 現代文の読解問題と記述問題について解説

帰国生の方の中には、国語の読解問題や記述式問題に苦手意識を持っている方は多くいます。

「いつも減点される」
「暗記科目はできるけど」
「なんとなくで解いちゃってる」
「登場人物の気持ちなんてわかるわけない!」

という方もいるのではないでしょうか?

今回は、現代文における読解問題や記述式問題を解くコツをお伝えします。

問題文をきちんと理解したり、解答を書く時に筆者の意図に気をつけたりするだけで、丸はもらえるようになります。

中学生から高校生まで、定期テストにも受験にも応用できるコツを紹介します。
国語で高得点を取りたい方や、読解問題を解けるようになりたい方は必見です。

一緒に確認していきましょう。

目次

読解問題は重要語句と頻出テーマの知識が必須

読解問題では、論理的に解くことが最も重要です。
しかし、その前提として、入試に出てくる重要語句頻出テーマを知らないと高得点は望めません。

まずは「重要語句」について確認していきましょう。

問題中にわからない語句がたくさん出てきたら、内容を十分に理解することはできません。
論理的に読み解く力がついていても、内容がわからなければ問題を解くことは難しいです。

特に帰国生の方は日本語に接する機会が少なくなるので、注意が必要です。

入試における重要語句は、ワーク単語帳でまとめられています。
読解問題で点数を取りたい方は、まず重要語句を抑えましょう。

続いて、「頻出テーマ」について確認します。

入試での頻出テーマには例えば、「日本文化と西洋文化の違い」「科学万能主義に対する考え方の変遷」「個人と社会」などがあります。

これらの知識があると、スムーズに問題文を理解できるので、問題が解きやすくなります。

ただし、注意点があります。
それは、問題文の筆者が知識通りの考え方をしているとは限らないということです。

あくまで、筆者の考え方は問題文から読み取りましょう。

また、頻出テーマは学校や学部、年代によって異なる場合があります。
きちんと確認した上で、頻出テーマを把握してください。

心情は「場面」+「人物像」→「心情の変化」で考える

物語文の問題で、心情を考える必要があります。

その際重要になるのが、

場面(出来事)』+『人物像』から『心情の変化』を読み取る

ことです。

自分はこう感じるから、これが答えだ、とならないようにしましょう。

それでは例題を見ていきます。

涙を流したAくんの気持ちを答えなさい。」

(ア)うれしい
(イ)悲しい
(ウ)悔しい
(エ)痛い

いかがでしょう?

少なくとも、(エ)は感情ではないので、答えからは除外しても良いでしょう。

しかし、涙は感極まった時に意図せず流れるものなので、これだけではどんな感情になっているのか判断できません。

どんな場面でAくんは涙を流したのか確認する必要があります。

「『返却されたテストが80点だったのを見て涙を流した』Aくんの気持ちを答えなさい。」

(ア)うれしい
(イ)悲しい
(ウ)悔しい

こうしてみるとどうでしょう?

「『自分』がテストで80点だったらうれしいな、だから(ア)! 」と早まらないでください。

聞かれているのは「Aくん」の気持ちです。
Aくんについての情報(人物像)が必要になります。

「『返却されたテストが80点だったのを見て涙を流したのび太くんの気持ちを答えなさい。」

(ア)うれしい
(イ)悲しい
(ウ)悔しい

ここまで把握できれば、答えはもうすぐわかりそうですね。

「のび太くん」はいつも良くない点数を取ってお母さんに叱られ、友達からも笑われることが多いキャラクター(人物像)です。

さらに、「今度こそは70点以上取るぞ!!」と苦手ながらも必死に努力した姿(場面)が描かれていたらどうでしょう?

答えは、(ア)になります。

もしこのAくんが「出木杉くん」だったら、(イ)や(ウ)に近い感情になりそうです。

答えがしぼれるのは、「のび太くん」の人物像や「のび太くんが努力」し、「その結果」80点を取った場面を知っているからです。

もちろん、実際に問題に登場する人物は、初めて知る人物ばかりです。
ですが、

その人がどんな性格で、
どんな家庭環境で育ち、
何が得意で何が不得意か、
友人との関係はどうなのか、

などの情報は本文の中に十分散りばめられています。

『場面(出来事)』+『人物像』から『心情の変化』を読み取ることは物語文を読み解く上での方程式です。

意識しながら問題文を読んでいきましょう。

問いに過不足なく答える(特に記述式問題)

本文を理解していても、問いにきちんと答えられないと点数を取ることはできません。

例題を見ていきましょう。

「(当番の教室掃除をさぼる鈴木くんに)『やるべきことをやらせよう』とありますが、ここでの〈やるべきことをやらせる〉とは、どのようなことか述べなさい。」

(1)教室の掃除をさせること。
(2)鈴木くんに掃除をさせること。
(3)鈴木くんに教室の掃除をやってと説得すること。

この答え方ですと、3つとも満点をもらうことはできません。
それぞれ詳しく見ていきます。

(1)は「鈴木くん」が出てきていません。
(2)は「教室の」掃除なので、具体性に欠けます。
(3)は要約すると「説得すること」を言っています。正しい答えは「掃除をやらせること」なので、丸にはなりません。

正しい答えは、「『鈴木くん』に『教室』の『掃除をさせる』こと。」になります。

(1)~(3)を書いた方も、本文の内容はわかっているでしょう。
しかし、満点をもらうことはできません。

問いに過不足なくきちんと答えることは、簡単そうに見えて案外難しいです。

内容を理解していてもきちんと答えられないと、非常にもったいないです。
何を問われているのか正しく把握し、過不足なく解答しましょう。

筆者や出題者の意図を汲み取って適切に記述

記述式問題が苦手だという方は、本文を深読みしすぎて、自分の言葉を入れすぎてしまうことがあります。
そして結果的に、文脈から外れてしまいます。

国語の記述式問題は、抜き出しでなくても、文章に書いてあるキーワードとなる言葉を中心に文を整えていくのが基本です。

国語の問題を解くというのは、「筆者の意図から最も適切な解だと出題者が判断したものを読み解く」力が必要になります。

有名な話ですが、「雪が解けたら何になる?」という問いに対し、「春になる」と答えた生徒はバツをつけられたそうです。

文章や詩を書くような創造的な作業には、個性的な感性が必要になります。
しかし、国語の問題を解くという作業には、他の人や集団の意図を読み取る力が必要になるのです。

読解問題や記述式問題で確実に点を

読解問題や記述式問題を解くコツについて知ることができましたか?

帰国生入試では、小論文や記述式問題が課されることが珍しくありません。
問題を解く時の意識を少し変えるだけでも、試験で点数が取れるようになります。

ぜひ試してみて、点数アップへとつなげてください!

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